あまり知られていないのだが、この延暦寺の広い境内に、二ヶ所だけ別の組織がある。
ひとつは「弁天堂」さんで、もうひとつがここ「元三大師堂」である。
延暦寺は天台座主を住職として、様々なお堂には、交代制の輪番が執事として働いている。
いわゆる「寺リーマン」だ。
そしてスタッフは給料に縛られて、当然愛想もよくなる。
しかし、大師堂はすべてが信徒さんで成り立っていて、会計は延暦寺とは別会計なのだ。
お手伝いに上がってきてくれる方々や、我々のような僧籍を持つ者も、皆ボランティアでやっている。
お堂の維持は大変なのね。
だから、純粋にお大師さんにお仕えしたい人が集まり、なんとかやりくりしている。
全国の信徒さんのお世話をする「世話方」さんがいて、それこそ先祖代々とお仕えされている。
だからいくら多額の寄進をしようとも
「ここ五、六年通っています」
レベルでは全く相手にされていない。
執事は輪番に当たっている人を「当執事(とうしゅじ)」と呼び、十数名いる横川院内の執事から選ばれる。
当執事の勤めは、先ず「看経(かんきん)」。
次いで、全国から寄せられた案件の祈祷である。
前の当執事は、2時頃から始めて、7時位には朝座を終えると御廟に詣った。
夕座は16時頃には入り、夜遅くまで御札を書いていて、一体いつ寝ているのか、不思議なものだった。
その間の昼の時間に、面会やら相談やらとこなす。
世話方の多くは、比叡山の麓に住んでいる。
奥比叡ドライブウェイの通行はあくまでも、基本は各お堂の開いている時間帯だ。
9時から16時の間以外にゲートを通ると、衆目の認知するところとなる。
だから、当執事が出勤と退勤(笑)しているのは、全部知られている。
約半日の滞在。。。
いつお勤めをしているんだ!?って話にもなる...
基本、その当執事の裁量に任されているので、誰も面当向かっては意見を言わない。
でも仕事は鬼のようにたまって行くので、御札なんかは我々が書いていることを世間は知らない(笑)
お供養のお礼状なんかは、「センセならこんなこと言いそうだなぁ!」
ってフィーリングで書いている。ゴーストライターのワタシが言うのだから、間違いない。
当執事も二回目の輪番の時には、だいぶ変わるかもしれない。
しかし、週一でお手伝いに来てくれている幼なじみの曰く
「四歳の頃からずっと一緒やけど、な~んにも変わってない」
らしい(笑)
信徒さんの中には、もうすぐ次の執事に変わることで
「やれやれ...」
と言っている人が多くいるのは事実だ。
純粋だからなぁ~
そんな今のセンセが大好きなんだけどさっ♪
はい、御廟も参ってきましたよっ!
今日は忙しくなるぞー 学生くんもバックレたことだしね~
センセと二人きりで頑張るか!
洞の間2 ~Dougyou's room
比叡山 横川『元三大師堂』から 只今、下界視察中♪
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