横河童の悩み

 これは比叡山横川に住む、二匹の河童のお話です。
 「弁天さんとこの水屋。もうじき倒れますねぇ... 直しますか?!」

 河童Dはホウレン草とコウジが大好物。


 しかし、その報告を受けた執事の河童Eは、突然怒りはじめるのです。

 「もう、たいがいにしてくださいよ~ あれもこれも直していたらきりがないじゃないですかっ!!」


 先日、排水と治水と給水の工事を終えたばかり。

 「ほどほどにしてくださいよっ! ほどほどにっ」

 誰のナニに対して怒っているのでしょう???


 執事になってからのこの三年。お金が出ていく一方なのです。

 イライラもしますよねぇ...
 「知っちゃったら、こちらとしてはやらなきゃいけないぢゃないですかぁっ!」「気がつかないでくださいよ。。。もぉ」
 輪番は三年毎の交代制なものだから、先輩方が巧く立ち回って来た結果。。。とはいえ

 河童Eの輪番の時に、穀物用の冷蔵室がご臨終したり、乾燥機がご臨終したりと

 とにかく大物がどんどんと、その寿命を迎えて行くのです。


 比較的、臭いものに蓋をするのが下手くそな河童たちは、どうしても正面から向き合ってしまうのです。
「しょうじきぃ~わかりますわかります」とか「ゆってみればぁ~えぇっえぇっ」

 これらのワードが出てくると、だいぶ末期症状で

「ちょっとまってください!」

 からの、永野ダンス♪「ゴッホより~写楽より~御影がすっきぃ~♪」

 と、ヤバくなられます。そして閃く...


 「そうかぁっ! もう弁天さんのお掃除は止めてくださいっ♪ 汚くしておけば、人は寄らないのでぇ~😃」

 「デスっdeath! なるほどぉっ! センセ、それはご迷案death 水も止めておきますぅっ~」


 サイコーじゃないですか?!ウチのセンセは~
 一方、如法水から出てきた、河童Dはスッキリさっぱりです。

 ナマサマンダボダナン メイギヤシニエィ ソワカ
 
 ホウレン草さえしてしまえば、彼の責任はゼロなので、お気楽極楽なのです。


 「なんか、崩れた水屋の屋根の下敷きになった子供が見えたのよねぇ~」

 でもね... 考えてみたら、営業妨害も甚だしい!ってハナシなんです。

 それこそ、山には坊さんが余るほどいるし、横川霊園にはまだ空きがあるみたいだし。。。

 だから、河童Dはお偉いさん方に目をつけられているのです。



 だけど、へのかっぱ~♪ なんくるないさ~

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洞の間2 ~Dougyou's room

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